ピーチ・アビエーションとその株主のANAホールディングスは24日、ピーチへの出資比率を引き上げ、連結子会社化することを発表しました。

　ピーチ・アビエーションの現在の株主構成は、ANAホールディングス 38.67%、ファーイースタン・インベストメントグループ 33.3%、産業革新機構 28.0%だが、ANAホールディングスによる株式取得後は、ANAホールディングス67.0%、ファーストイースタン・インベストメントグループ 17.9%、産業革新機構 15.1%となる。

　株式の取得費用は304億円で、取得日は4月10日を予定しており、ピーチ・アビエーションはANAホールディングスの連結子会社になる。

■ピーチ 株主構成

・現在
38.67% ANAホールディングス
33.3% ファーイースタン・インベストメントグループ
28.0% 産業革新機構

・ANAHDによる株式取得後
67.0% (+28.33%) ANAホールディングス
17.9% (-15.4%) ファーストイースタン・インベストメントグループ
15.1% (-12.9%) 産業革新機構

　ピーチの井上慎一CEOら経営陣は続投し、ピーチの独自性やブランド力を維持しながらANAグループとの連携を強化して、今後の路線拡大や成長を狙う。

　ANAホールディングス代表取締役社長の片野坂氏は、「Peach の企業文化・ブランドを活かし、独自性を尊重しながら、第二の創業期として成長を加速させるべくANAグループとしてサポートしてまいります。Peachが、国内・海外拠点の拡大をさらに推進し、 日本を代表するLCCとして市場を牽引することで、航空需要の創出や地方創生などを通じて、観光産業 ひいては日本経済の発展に貢献したいと思います。」とコメントしています。

　ピーチ・アビエーション代表取締役CEOの井上氏は、「当社が掲げている2020年に向けたチャレンジングな計画を着実に実現し、インバウンド4,000万人ならびに地方創生に貢献するうえで、これまでの株主3社から更なる強力なサポートをいただけるのは大変 ありがたいことです。特に、安定株主となるANAホールディングスとのシナジーにより、Peachは事業の拡大と発展を一層加速できると確信しております。これにより、PeachはリーディングLCCとして、 アジアのかけ橋となることを目指し、日本のみならずアジアにおいて笑顔をお届けする空飛ぶ電車となります。」とコメントしています。

　ピーチ・アビエーションは2012年3月に関西国際空港を拠点として運航を開始。国内線・国際線にネットワークを拡大し、2017年2月現在、国内線14路線・国際線13路線の計27路線を展開する。国内系LCCの中では唯一、中国本土への路線として上海(浦東)線、タイ・バンコク(スワンナプーム)線を開設するなど、先進性と独自色を強く打ち出している。

　2013年には初の単年度黒字化を達成し、2016年3月期の営業利益は前期比2.2倍の61億円を計上、累積損失を解消している。

　また、ピーチはエアバスA320型機18機を保有して運航しているが、2020年度までに35～40機に増備する計画を進めている。昨年11月には最新機エアバスA320neoを一挙に10機発注するなど、事業展開にスピード感が増している最中、ANA子会社化で一層弾みがかかり、今後の展開が注目されます。